ドクターイエロー

こんにちは。

名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。

 

今回は週末、院長の学会に同行した帰りの新幹線の中で起きた事について書きます。

 

東京を出て1時間ほど、私はいつものように寝ていましたが、聞き慣れないアナウンスで目が覚めました。

乗客の中に体調が悪化した方がいるので、医師か看護師の方はいませんか、11号車と12号車の間に来てください、というものでした。

 

隣を見ると院長は新聞を読んでいて、すっと立ち上がって行ってしまいました。

その後に続いて若い夫婦が通路を通り過ぎました。

その後に車椅子に乗ったぐったりした人と付添人が通り過ぎました。

大きい袋を持った乗務員さんも後に続きます。

 

病気の方は11号車と12号車の間で倒れていると思っていた私は不思議に思いながらも、ずっと待っていましたが院長は帰ってきません。

しばらくして医師の夫婦らしき方が戻ってみえましたが、やはり院長は帰ってきません。

もしも名古屋で病気の方を搬送することになったら、荷物を1人で運ばなければと思い始めた頃に、ようやく院長が戻ってきました。

その後、女性が軽く会釈しながら通り過ぎ、ご気分が悪くなったお客様は快方に向かわれています、というアナウンスが入り、一安心。

 

自宅で事の顛末を聞いたところ、まずアナウンスで11号車と12号車の間に医療関係者が集められたのは、そこに普段は使われていないベッドがあるためだそうです。

院長が行った時には若い男性医師が1人いて、その後に夫婦の医師と患者さんが到着して、合計4名の医師の誰が率先して診察をするか、となったのですが、まず一番年長者の院長が診察を始めました。

体調が悪くなったのは旅行中の高校生で、後ろの方に乗車しており、学校関係者と到着した際にはほとんど話すことができませんでした。

血圧計とかありませんか、と聞くと新幹線内には聴診器などが準備されていて、血圧を測ろうとした途端、パッと若い女性が補助をしてくれたそうです。

えっ?と思ったら看護師さんで、彼女が優秀なためバイタルチェックはお願いして診察に専念できたそうです。

診断をつけて、後は新大阪まで乗車される医師の夫婦に申し送りをして名古屋で下車しました。

 

診察を始めてすぐに過呼吸ではないことは判明したそうです。
ただ、緊急搬送が必要かどうかを即断しなければならず、ダイヤが乱れると沢山の乗客に影響が出ること、万が一にも診断ミスがあってはならないこと、治療薬がないことなど、少しプレッシャーのかかる仕事だったと後から院長は言っていました。

集まったドクターが若かったので、搬送になった時の責任を若い医師に背負わせるより自分が引き受けた方が良いだろうと判断したそうです。

 

今の若者は…と言われることもありますが、今回集まった若い医療関係者に私は感心しています。

救急医療に自信のある方しか集まらないので、新幹線内にはその倍の人数の医療関係者がいたと思われるのですが、どんな時でも面倒くさがらず即座に駆けつける、という姿勢が立派です。

JR東海の乗務員の方も集まった医療関係者が多くて、とても感謝されていたそうです。

 

後にJR東海様からは代表して御丁寧なお手紙とドクターイエローのペンをいただきました。

ありがとうございました。

 

今から10年以上前のことになりますが、休みの日にクリニックにいたら、バーンと音がして、西角の交差点でバイクの女性の交通事故が起きました。

院長は慌てて走っていき、心臓マッサージをしていたら、横でじっと見つめている歳上の男性がいました。
一緒に救急車に乗り込むので不思議に思っていたら、実は小牧市民病院の救命救急の部長先生だったそうです。

多分内臓破裂だね、と言われお名刺をいただいたのですが、休みの日の事故現場に偶然救急の部長先生が居合わせて病院まで付き添って下さるとは、と驚いたことを思い出します。

 

すぐに医師が駆けつけられたとしても病気の重さによっては助けられる命と助けられない命があります。

これからGWが明けて通常活動が戻るにつれて、また予測もしない事が起きてくるかもしれません。

私は緊急時あまり役に立たないのですが。
サポートに回れるように気を引き締めていこうと思います。

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