糖尿病について

生物は、成長のため、また、生命を維持するため、栄養分を摂取しなければなりません。しかし、今日、お付き合いなどの、色々な事情があるとは思いますが、必要なカロリーを超えて、栄養を摂取している方が多くなっています。またストレスも原因の一端になっています。

糖尿病の種類

糖尿病は、Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病に分けられます。

Ⅰ型糖尿病

インスリンを合成・分泌する膵臓ランゲルハンス島β細胞の破壊・消失が原因でインスリンが不足します。

Ⅱ型糖尿病

インスリン分泌低下やインスリン抵抗性をきたす素因を含む複数の遺伝因子に、過食(特に高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子および加齢が加わり発症します。

糖尿病の検査

血糖

空腹時の正常範囲は70~110

HbA1c

採血時から過去1,2か月間の平均血糖値を反映し、糖尿病の診断に用いられるとともに、血糖コントロール状態の指標となります。基準値は4.6~6.2%です。

尿糖

血糖が高くなると尿に糖が出ます。最近は、腎臓でのブドウ糖の再吸収を抑制する薬を内服することで出ている人もいます。

糖尿病の合併症

糖尿病を放置すると、高血糖性の昏睡をきたす場合があります。
また、動脈硬化性疾患や目・腎臓・神経などの合併症が進展します。
こうした合併症は、いずれも患者さんのQOLや生命予後を悪化させます。
そして、これらの合併症の発症予防と進展阻止こそが糖尿病治療の目的です。
網膜症、腎症、神経障害は、糖尿病に特徴的な3大合併症です。

1.糖尿病網膜症:定期的な(最低でも6~12か月に1回)眼科受診をお願いします。
2.糖尿病腎症:病期分類としては、腎症前期、早期腎症期、顕性腎症期、腎不全期、透析療法期に分類されます。
3.糖尿病神経障害:両足の感覚障害の他、自律神経障害により、起立性低血圧、消化管運動機能低下による嘔気・嘔吐・便秘・下痢、勃起障害(ED)、無自覚性低血糖、無痛性心筋梗塞などをきたしやすくなります。
4.動脈硬化性疾患:糖尿病は動脈硬化性疾患の一つであり、高血糖の程度が軽い境界型でもリスクは増加します。メタボリックシンドロームや喫煙する方はさらにリスクが増大します。狭心症・心筋梗塞などの冠動脈疾患、脳梗塞の他、末梢動脈疾患を合併して、足の潰瘍や壊疽をおこします。
さらに、糖尿病患者さんは感染症にかかりやすく、肺結核、尿路感染症、皮膚感染症(足白癬、蜂窩織炎)などにも注意が必要です。

食事療法

食習慣に問題がある場合は是正しましょう。
何かを食べてはいけない、ということはありませんが、単品ものに偏らないようバランスのとれた食事にして下さい。
糖質制限は減量や血糖コントロールがしやすくなりますが、糖質そのものは脳を働かせるのに不可欠です。

1.特に肥満の方は腹八分目とする。「大盛り」はやめましょう。
2.食品の種類をできるだけ多くする。
3.脂質は控えめにする。
4.食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなど)をとる。野菜はできるだけ毎食食べましょう。繊維質を先に食べることで、糖質の急速な吸収が抑えられます。
5.朝食、昼食、夕食を規則正しく食べる。
6.ゆっくりよく噛んで食べる。

運動療法

歩行、ジョギング、水泳などの有酸素運動を、できれば毎日、少なくとも週に3~5回、20~60分間行って下さい。
歩行では、1回15~30分間×1日2回、1日1万歩を目標にして下さい。
腹筋、ダンベル、腕立て伏せ、スクワットなどのレジスタンス運動も週2~3回行いましょう。
この際、いきなり始めて膝など体を痛めてはいけないので、準備運動から始め、徐々に負荷を増やしましょう。そして、継続しましょう。

薬物療法・インスリン注射

当院では経口血糖降下薬の処方やインスリンの注射を行っております。
インスリンの注射をご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。

糖尿病について院長から一言

糖尿病は治癒する病気ではありません。しかし、定期的なフォローを続け、良好なコントロールを維持することにより、合併症の進展を予防することが可能です。自己判断で通院を中断することは危険です。
当院では、各種合併症が進展しないよう、またインスリン導入とならないよう、長期的展望に立った薬物療法をしています。