医学教育
こんにちは。
名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。
もう秋の気配ですね。
今日は医学教育について書こうと思います。
当院では今年から名古屋大学医学部の5年生の実習先の病院となっています。
4月から4人の学生さんを受け入れ、先週今年度最後の学生さんがみえました。
名大との取り決めで火曜日から木曜日までの3日間が実習期間となります。
実習期間は短いのですが、街中で内科と皮膚科を併設しているクリニックの現場の雰囲気を感じていただけるといいなあと思いながら学生さんと実習を行っています。
元々院長は医学生や研修医への医学教育に熱心で、開業してから10年間、海南病院に水曜日午後を使って指導に行っていました。
海南病院は様々な大学出身の先生がいて、沢山の先生と交流できるため、忙しい中でも楽しそうに教えていたという印象があります。
この10年間は当院での仕事が増えて後輩の指導からは遠ざかっていたのですが・・・
昨年の7月、当院でもPCR検査を行えないかと保健所にお電話したところ、以前院長が海南病院で指導をしたT先生が中区の保健所の職員となられていて私たちに指導してくださることになりました。
院長はT先生が昔自分が指導した若手の先生のお1人だったというお話を聞いて驚いていました。
T先生は当院の感染症隔離室をご覧になり中区の保健所が当時どのような体制をとられているか説明して下さいました。
その頃はまだ、PCR検査をどうしたら開業医でもできるか模索していた時でしたので、先生とのお話はとても有意義で、様々な独自の工夫をされて中区の感染爆発を止めようと奮闘する姿に心打たれました。
人と人を繋ぐという調整能力がとても優れている方で、コロナの初期に保健所と開業医が協力体制をとれるようにして下さったことに、今もとても感謝をしています。
私たちの年齢が上がり、以前指導した学生さんや研修医さんが現場で活躍されている姿を拝見することは何よりの喜びです。
医師会や同窓会からは今までにも医学生の受け入れ先の公募がありましたが、私が子育て中だったこともあり、これまで手を挙げずにいました。
子育てが一段落し、コロナで学生さんの学びの場が減ってしまっているという危惧もあって、昨年まず名古屋大学の実習先となりました。
実習中は院長の隣に座ってもらうのですが、患者さんからは何度も息子さん?と聞かれ、院長はこんな息子がいればいいんですけどね、と笑いながら同じフレーズを繰り返していました。
患者さんの中には学生さんを質問責めにする慣れた方もいて、学生さんがタジタジしてしまう場面もありましたが、そういう患者さんとの生のやり取りを含め全て実習であり、患者様には御協力頂いたことに厚く御礼申し上げます。
名古屋大学の学生さんは医学の勉強以外にも特技のある方が多く、若い方のお話を聞かせていただき私も勉強になりました。
5年生はもう医師の1歩手前なので、患者さんに接した時にそう言えばあの時私たちがこう言っていたな、と記憶の隅に残る言葉や姿勢が伝えられたらいいなと思っています。
自分の母校である愛知医大の学生さんも受け入れたいと思っていた矢先、教育センターの教授になった同級生から連絡がありました。
感染拡大に伴い医学部1年生の病院実習がなくなったので、Zoomで医師にグループインタビューをする、その時に先輩医師として参加してもらえないか、というものでした。
同級生のW先生は昔から誠実で尊敬できる人物で、彼の頼みならと初めてのZoomでしたが引き受けることにしました。
時間は1回30分で6回ありましたが、私はワクチン接種があり、今回は30分間水曜日に参加する事が精一杯でした。
全員で7人の学生さんが1人1題ずつ質問をして下さるのですが、私はあがってしまって最初は的外れなことばかり答えてしまいました。
最初の質問は医師になってみてわかった事を教えてください、というような質問だったと思うのですが、こういう考え方や捉え方をされる方がいるんだ、こんな風におっしゃるんだと自分の想定外の考え方を持つ方が多い事に今も毎日驚きます、と絞り出しながら答えたのですが、それはコロナが始まり人々のコロナ観の違いで私がより強く感じるようになったことでした。
でも、その時には思い付かなかったのですが、医師になって1番最初にショックを受けたのは、32歳で2歳の子供を残して肝臓がんで亡くなっていくお母さんを受け持った時でした。
腹水が溜まってお腹がぱんぱんなのに、お子さんが何も知らずにママにしがみついて甘えていました。
お母さんが私たち医師に泣き言1つ言わなかった事や、電話をかけるために夜暗い病院の廊下をゆっくりと歩く場面を何度も思い出します。
私はこうして元気に生きているのに、病院では毎日重い病気になって亡くなっていく方がいる、多くの患者さんは運命を受け入れて苦しい治療に耐えている、治る方もいれば治らない方もいる、医師にならなかったらわからなかった現実です。
健康でいることがいかに奇跡的な事で、健康に感謝しなくてはいけないと強く思ったものです。
初めての1年生からの質問でしたので、上手く答えられませんでしたが、その質問で若い頃の自分の気持ちを思い出しました。
中にはブログを読んでくれた学生さんもいたようで、8月のブログから1ヶ月経っていますが、ワクチン予約で何か進展はありましたか、と言われました。
システム化とか何も変わっていませんね、と言って学生さんをがっかりさせたのですが、実際はワクチン入荷のお知らせがまだないのでしばらく予約を取れないということもあり、私は6時間ほどは寝られるようになりました。
ただ仕事が楽になったかと言えば先の予約を取っていないだけで毎日ワクチン接種をしていますし、明るい内には家に帰れません。
夜は書類整理や雑務に追われ、気が付いたら3週間も庭に出られず庭は荒れ野原でした。
愛知県内の感染が拡大してPCR希望者が後を絶ちませんし、今後はインフルエンザワクチン接種も始まるので、まだ忙しい日々が続きます。
自分やスタッフが身体を壊してはいけないので、今後は時間帯を考えながら予約をとっていくつもりでいます。
1年生と接した感想ですが、母校の学生さんはとにかく可愛かったです。
全員違う角度から質問を考えて来てくださって仕事漬けの私には刺激的でした。
今後きっと社会に貢献できる良き医療人になられると思います。
コロナ禍ですが心くじけず若い力でこれからの医療を支えていって下さい。
先々を考えた時に会社でも学校でも教育はとても大切です。
コロナ禍で対面教育は萎縮しそうになりますが、これからも自分のできる限りで若い方に何か学びの場を提供できたらいいなと思っています。

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