多汗症

こんにちは。

名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。

最近皮膚科の新しい薬がどんどん発売されています。
暑くなってきたこともあり、(医学的な用語となりますが)原発性腋窩多汗症の外用剤に保険が適応されたのでご紹介いたします。


原発性腋窩多汗症とは・・・
・明らかな原因がないにもかかわらず、日常生活で困るほどに脇汗が出る病気です。
・およそ20人に1人がかかる、決して珍しくない病気です。


<診断基準>
過剰な脇汗が、特定の基準がないまま6ヶ月以上認められ、以下のうち2つ以上あてはまる場合が該当します。

□最初に過剰な汗が出たのは25歳以下である
□左右同じように脇汗がでる
□睡眠中は脇汗がとまっている
□1時間に1回以上、過剰な脇汗が出る
□家族にも同じ病気の人がいる
□脇汗によって日常生活で困ることがある


<治療に使われる3種類の塗り薬>

・汗の出口をふさぐお薬
①塩化アルミニウム水(院内製剤で10%、20%があります。)

・汗を出す司令をブロックするお薬
②エクロックゲル
③ラピフォート ワイプ




①塩化アルミニウム水
身体のどこにでも使用出来るメリットがありますが、局所のかぶれが起きる場合もあるため、院内製剤で10%から始めます。

②エクロックゲル
ソフピロニウム臭化物(グリコピロニウム臭化物の副作用を減らすために設計されたもの)を主成分とします。
ポンプ式になっていて、アプリケーターの上に片わきワンプッシュし、薬液をわき全体に塗り広げます。
手に付きにくいように配慮された作りになっているのがメリットです。
12歳以上に使用可能。

③ラピフォート ワイプ(new)
抗コリン薬のグリコピロニウムトシル酸塩水和物を主成分とします。
1日1回、1包に封入された不織布1枚の薬液を左右のわきに1回ずつ塗布します。
汗ふきシートのような感じで、1回で使い切りで衛生的な事がメリットです。
ただし、手を流水でよく洗わないと目に付いて目の副反応(羞明、散瞳、霧視、ドライアイ)が起こりやすいこと、2週間分しか処方できないことがデメリットです。
9歳以上に使用可能。>

<使用禁忌の方>
・閉塞性緑内障の方
・前立腺肥大で排尿障害のある方
・お薬に過敏症のある方
・わきに傷や湿疹、皮膚炎のある方


②③どちらの薬も抗コリン作用により、口渇、目の調節障害(光をまぶしく感じる、目がかすむなど)尿の異常(尿が出にくいなど)体温調節の異常(熱中症を疑うようなめまい、頭痛、吐き気、筋肉の痛みやつりなど)の症状があれば、お薬を中止して医師に相談してください。

ラピフォート ワイプはまだ発売間もないので使用経験が少ないですが、今までに処方したエクロックゲルはとても患者様の反応が良いです。
脇汗でシャツに色が付いてしまうなど、人知れず悩んでいる方も多いので、1包ずつの使い捨てワイプ製剤も出たことにより患者様の薬剤選択の幅は広がったと感じています。
それぞれの生活スタイルに応じて処方致しますので、お悩みの方は皮膚科に受診して下さい。

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