多汗症の話

こんにちは。

名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。

 

最近は現地開催の薬の勉強会が増えてきました。

 

普段は時間が無いのでWebで聞いて現地へは行きませんが、他の用事もあり日曜日に東京の学会に行ってきました。

 

水曜日に大腸検診でお休みしたので、仕事が溜まってしまい、朝5時から起きて仕事をしていたので新幹線では爆睡。

 

台風の影響を心配しましたが小雨程度で助かりました。

 

多汗症には全身に汗をかく全身性と、身体の一部だけに汗をかく局所性があります。それぞれ、原因となる病気から引き起こされる続発性と原因がわからない原発性があります。

 

今回は原発性局所多汗症の勉強会でした。

 

世の中にはハイタッチや握手をしたくてもできない、ワキ汗がひどくて白い服が着られない、ペンが滑るので勉強ができない、モバイル機器がさびてしまう、足の汗で床が濡れる、緊張すると汗が出る、など汗に関して人知れず悩んでいる方がいます。

 

脳と汗は関係しているとも言われていますが、細かい部分はまだ解明されていません。

 

汗のために生活の質が落ちたり、人間関係に消極的になり、気持ちが沈んでしまうことはあるので、皮膚科医としては治せるものなら治したいと思ってきたのですが、今まで使えるお薬が少ないのが実情でした。

 

昔から院内製剤として塩化アルミニウム水があり、効果はあるのですが、かぶれやすい難点がありました。

プロバンサインという内服薬も処方できる方は限られていますし、ボトックス、手術は少しハードルが高いので、数年前から発売された外用薬は本当にありがたい存在です。

 

数年前に原発性腋窩多汗症(ワキ汗)にはエクロックゲル、ラピフォートワイプの2剤が発売されましたが、5月からはどちらのお薬も長期投与ができるようになりました。

 

エクロックゲルは副作用の発現率が低いので、高齢の方にも使いやすい薬です。

余談ですが名古屋市中区の処方が全国で一番多いそうです。

最近剤形も変わり持ち運びやすくなりました。

 

ラピフォートワイプはやや副作用頻度が高いですが、汗ふきシートに似ていて活発な若い女性に好まれる傾向があります。

 

今回は原発性手掌多汗症(手汗)の薬、アポハイドローションの勉強会でした。

 

全国から医師が集まり、2千人以上の患者の治療に当たられている先生のご講演もあり、とても勉強になりました。

 

アポハイドローションの使い方ですが、1日1回、寝る前に手のひらに5プッシュ薬を塗り広げ乾かして寝て、起きて手を洗うだけです。

 

7割の方が汗が50%以上減ると感じるそうです。

全体としての印象も8割程は良くなるのとのこと、目の副作用が意外に少ないとのお話でした。

 

欠点としては2週間ずつしか処方ができないので通院が大変なことと、まだ12歳以上にしか保険適用がないことです。

 

子供は寝ている間に目を触りやすいですし、手のひらの角質も薄いので、いずれ小児にも安全性や使用法が確立して適用が広がると良いな、と思っています。

 

使用できないのは閉塞隅角緑内障、前立腺肥大症、重篤な心疾患、麻痺性イレウス、重症筋無力症の方です。

 

お薬の限界はあるものの、処方できる薬剤が増えてきましたので、若い頃から日常生活に支障をきたすようなワキ汗、手汗でお悩みの方は、お近くの皮膚科で相談をしてみて下さい。

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