現実
こんにちは。
名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。
今日は日曜日ですが、クーラーをかけずに汗をかきながら11時ぐらいからソファで3時間ほど寝ていました。
院長や事務スタッフは日曜日でも働いていますが、7月19日から月末まで怒涛の2週間で疲れてしまい、私は家で休んでいました。
毎日仕事がきつくて。
昨日テレビでコメンテーターの人が、
発熱外来って本当に混んでいるの?薬はないし、と勢いよく言っていましたが、確かに受け皿がないのに抗原検査を自分でしろ、と言うのは政府が無責任すぎると思います。
でも、今発熱外来は本当に難民だらけなんですよ、と気力なく心の中で呟いていました。
なるべく患者様を受けたいと思うのですが、1人に1時間はかかるので、医師の数が多い訳でもない当院では1日20人弱が精一杯ですし、そのほとんどが陽性なので、パソコンで発生届を出すのに、1人8~10分として2時間半以上かかります。
最初は夕食前に終わらせようと頑張ってみましたが、10時までかかってしまうため、今は先に適当に夕食を食べて再度仕事をして、大体12時までは仕事をしています。
どこの発熱外来も多分夜遅くまで働いているため、保健所へのFAXは込み合い、12時を過ぎないと紙が流れていかない場合もあります。
追い打ちをかけたのが26日、突然発生届の入力のシステム(ハーシス)が朝から夕方までダウンしたことです。
手書きのFAXを書いたところでまたハーシスに入力をしなおすようにお達しがあり、心が折れました。
28日はハーシスのシステムメンテナンスで22時までに入力をしなくてはいけなくて、もう発熱外来の私達には過酷でしかない状況でした。
この所コロナワクチン接種も急増していて、昼休みを返上して頑張って接種をしていますが、限界もありますね。
お盆前の3日間はワクチン接種を制限しました。
しんどくて、スタッフも先が見えないので疲弊してきています。
そんな中、私事ですが上顎洞炎の原因となっていた奥歯の抜歯が27日16時から大学病院で決まっていました。
でも、結局コロナの検査が午前で終われず15時までドライブスルーで抗原検査をして、抜歯後の18時半からまた検査をしました。
抜歯後は歯茎が腫れて痛くて、翌日も元気が出なかったので懇意の患者さん達には気付かれてしまいました。
抗原検査というのは症状が出てから1日経たないと陽性には出にくいので、問診には時間をかけています。
当院では今まで抗原検査で陰性でPCRが陽性になった方は1人しかみえず、非常に精度の良いキットを入荷できていました。
でも、その抗原検査キットもほとんど入荷はできなくなり、今卸会社にはどこの国の物かわからないような無名のキットしかないと言われました。
精度のわからないキットは使いたくないので、お盆明けに在庫がなくなったら、PCRしかできません。
PCRでも良いのですが、短時間で判定できる方が、その後の治療指針も立てやすいので、抗原検査は欠かせません。
でも、です。
現在、私達のような発熱外来で検査キットが仕入れられない状態なのに、政府が発熱外来で抗原検査を配る、とか発熱した人に配送するとか・・・意味がわかりません。
無料でなくて購入しますので、内科や小児科の発熱外来に抗原検査キットを回して下さい。
もしも抗原検査を配るならば、コロナ陽性と判定が出た患者さんをネットで診察して発生届を出してくれる医師を各医師会に置いて、そこに国は資金を投入してください。
何科の医師でも発生届は出せるので、医師会と組んで医師を雇い発生届を出したり、書類を書いてくれる仕組みを作るべきです。
今、全国に展開している無料PCRセンターの中には、わかりにくいですが医師がやっているものもあります。
最低限、そこで陽性になった患者はそこの医師が発生届まで引き受けるべきだと思います。
医師がやっていないものは発生届が出せませんので、愛知県が設置した発生届を出す医師に陽性者からWeb診察で繋がる仕組みを作ればよいのではないでしょうか。
もう神奈川県では自主療養届出システムができているようですし、東京都も発表していました。
無料検査センターで陽性です、と放置された方や、近くの医師から選んでくださいと言われ、困った方が発熱外来に来るのも医療逼迫の原因なのです。
無料PCR検査センターで行った抗原検査の結果は診断には使えないのでやり直してください、と愛知県の担当者が言うのも、無料PCR検査センターがお金儲けのために抗原検査とPCR検査を同時にやって医療資源を無駄に使うのも、自宅待機になった外国からの帰国者の検査をするのも、公費を使って渡航の検査をするのも何だかおかしい話です。
愛知県の無料PCR事業に目を通してきましたが、発熱外来をやっている当院では矛盾が生じるので参加できない事業なのかな、と思っていました。
でも感染爆発してくると、今ある仕組みを利用した方が早いので、無料検査センターにもご協力を願いたいです。
発熱外来を混まないようにするには、まず発生届だけとか、書類のために来る患者さんを減らす事です。
それ以外、全体として感染者を減らすため、風邪症状がある時に自粛はお願いしたいですが、この状況だともはや患者さんにとって自粛は自分の為になってきます。
高齢者だけ自粛しましょう、とは何事か!という議論は少し横に置いておきましょう。
使える薬は少ないのです。
アセトアミノフェンでさえ、入荷困難です。
今回症状は多彩です。
発熱、咽頭痛、頭痛、鼻水、関節痛、下痢、嘔吐、味覚、嗅覚障害などからどの症状が出るか、現段階で変異を繰り返しているので、急に悪化するかもよくわかりません。
風邪症状があるのにお食事会、も相手の迷惑になるのでやめておきましょう。
医療には県により格差があります。
医療が脆弱な県でコロナになると医師にとっても患者にとっても大変なのです。
風邪症状を感じたら、家でもマスクをしてなるべく家族との接触を減らして下さい。
8月11日から15日は救急外来以外、当院も含めて大半の医療機関はお休みです。
救急外来は軽症のコロナ患者さんは診てもらえないのではないか、他の疾患で急を要してもなかなか受診できないのでは、と危惧しています。
医療機関がやっていない時に発熱したら、大人であれば他人との接触を避けて解熱剤を飲んで休むことです。
解熱剤は妊婦、小児、薬のアレルギーの方以外は飲みなれたものなら、アセトアミノフェン(カロナール)でなくても大丈夫です。
もう8月ですので、お盆に病気になった時のために備蓄の食料は買っておいてください。
いざとなれば宅配です。
家族と離れるための宿泊療養施設の入所、とか、お食事の配送サービス、などを行政に頼めると期待しないでください。
昔はできたことも今はできません。
保健所も手一杯なので、陽性者だとしても妊婦、重症化リスクのある基礎疾患のある方、65歳以上の高齢者しかお電話での健康観察はありません。全てショートメールでの連絡となっております。
子供は爆発的に、高齢者はじわじわ患者さんが増えてきています。
ラゲプリオというお薬がありますが、開業医にとって内服薬として唯一使える薬です。
当院では高齢者の基礎疾患のある方を中心に、毎日健康観察を行った上で慎重に投与しています。
入荷が非常に少なく、誰でも投与できるお薬でない事をご承知下さい。
7月29日には初のインフルエンザA型が出ました。久々のインフルエンザで、この時期から単発で発生している事に驚きました。
今回4回目のコロナ感染の方もみえました。
コロナにかかると免疫ができて、次のコロナにはかかりにくい、ということはありませんので今まで感染したことのある方はお気をつけください。
今年の冬はコロナの発生届は出さなくてもよくなるかもしれませんが、発熱外来を全ての開業医が行う訳ではなく、現場はもっと混乱しているかもしれません。
とりあえずこの波が早く収まってほしいです。

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