お盆のお客様
こんにちは。
名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。
皆様、今年のお盆はどうお過ごしになられましたか。
新型コロナウイルスで自粛していた、という方も多かったのではないでしょうか。
今年は開業以来初めて8月13日にクリニックを開けていました。
午前中、突然どしゃ降りの雨が降ってきた、と思ったら、いつの間にか1人の高齢女性がニコニコしながら処置室のベットに座ってみえます。
ナースのMさんが一生懸命尋ねています。
今日はどうされたんですか?
どこか体調が悪いのですか?
どの質問にも、濡れちゃってね、と繰り返してみえます。
あれ?雨宿りかな?
でも、何か違和感が。
お名前は?
ご自宅の電話番号はわかりますか?
言われたお電話番号にかけるも不通です。
ナースのMさんは更に女性の同意を得てカバンの中を見せてもらっています。
保険証はなく、所持金はわずか。
でも、カバンにしっかり紐でつながれたメモ帳には、御家族の電話番号が。
娘さんの携帯にお電話してみると、電話の向こうで、おばあちゃん、見つかった!と言う声が。
母がそちらにいるのですか?
今警察や家族で探していました。認知症で・・・
やはり、そうですよね。
クリニックでお待ちいただきますから、大丈夫です。
と、場所を伝えて電話を切りました。
間もなくご主人様がおみえになり、普段はGPSをつけて、二重、三重に気をつけていたけれど、ほんの僅かな隙に外に出てしまった、とおっしゃってみえました。
御家族に愛されているご様子がこちらにも伝わってきます。
その後、警察もいらして一件落着。
お一人で歩いてみえたのでしょう、突然の雨でクリニックに入ってみる、という機転が素晴らしいです。
私も認知症の祖母がいたのでわかるのですが、家族で支えるのは大変ですよね。
熱中症もありうるこの暑さの中、御家族がとても心配されていたので、今年はお盆中にたまたま診察をしていて良かったです。
次の来訪者は、全く次元の違う話なんですが、こちらも無事に帰れたお話です。
お休みだった16日お昼頃、私はクリニックで終わらない仕事をしていました。
すると入口近くの待合室の床に何やら黒い物体が。
恐る恐る近づくと、ひっくり返って脚をバタバタさせている虫がいます。
表に返すと、何と!
クワガタ???
なぜ?
病院内にクワガタ?
体長が2cm。
コクワガタのメス?

実は、私は子供の頃に毎年夏は飛騨小坂で兄と虫取りばかりしていました。
カブトムシ、クワガタムシ、キアゲハ、クロアゲハ、オニヤンマ、アキアカネ・・・ブヨに刺されながら清流の傍にいる自然の生き物達と戯れる毎日でした。
可愛い女子患者さんには、先生絶対虫が好きなんて言ったらダメだよ、引かれるよ、と注意されますが、私は全ての虫が好きなのではないんですよね。
でも隠しても、やはり子供の頃に慣れ親しんだ生き物への愛は溢れてしまいます。
私はコクワガタかなあと思ったのですが、ネットを見ると脚や背中の羽根の違いでヒラタクワガタと鑑別するそうです。
奥深い・・・
樹液を吸う、とありましたが、梨の皮を吸わせると、水分を欲していたのか、そのまま一心不乱に顔を埋めています。
童心に返り、ネットの投稿を楽しく読んでいたら、つい仕事を忘れてしまう事態に。
でも、この子は一体どこから来たんだろう?
誰にくっついて、いつからクリニックにいたんだろう?
考えてもわからないことだらけです。
ずっと眺めていましたが、夜、別れを惜しみながら森に逃がしました。
お盆中なので、きっと全てに意味があるのでしょうね。
私は子供の頃に海では釣り、山では虫取り、と遊んでばかりいたせいか自然が大好きです。
そんな経験が今の仕事にも生きていて、虫刺されの患者さんには皮疹と虫の写真を一緒に見てお話することが多いです。
刺された虫がわからない時は、何かなーといつも本を読んでいます。
今年の夏休みはとても短くて、祖父母にも親戚にも会えず、もう学校が始まってしまった小学生も多いでしょう。
でも、自然に親しむだけなら新型コロナウイルスにはならないので、子供達には夏が終わる前に是非、何かワクワクする経験をしてほしいな、と思います。
急に暑い日が続いたため、お盆明けの皮膚科では日光過敏症や蜂窩織炎の患者さんが多かったです。
残暑が続きますので、どうか暑さにお気をつけて、夏を乗り切ってくださいね。

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