足手まとい

こんにちは。

 

名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。

 

行動制限のないお盆休み、ということで皆さんどのようなお盆休みを過ごされましたか。

 

夏祭りも開催されていましたし、3年ぶりにご親族に会えた方、帰省や旅行をされた方も多かったことでしょう。

 

夏休みの素敵な思い出を作る事ができた方もいらっしゃった一方で、コロナの大流行で、家で自宅待機や療養を余儀なくされた方もおみえになったかもしれません。

 

そう思うほどお盆前の3日間の発熱外来は忙しく、代務の先生を頼みながら私は夜中まで仕事に追われていました。

11日までは残った仕事をしていて、これからお休みと思った12日の夕方、買ったお弁当を食べた私は嘔吐、血性下痢、腹痛、冷や汗で歩けなくなってしまいました。

 

私は時々お肉とか貝類でアレルギーを起こすので、今回も症状は半日だけかな、と思っていたのですが、どうも全く違う感じで腹痛と吐き気が治まらないのです。下痢も出血性でトイレに行くのも怖くなりました。

 

院長にとってはようやくお盆休み、というタイミングでしたが、私が飲めない、食べられないため、クリニックで点滴をしてもらうことになりました。

 

これが私の足手まとい生活の始まりです。

 

初めは1.5Lの点滴をしてもらい、ようやく少し尿意がある、という感じでした。

 

ただあまりにお腹が痛くて、動く気力がなかったので、私は1人クリニックで泊まりました。

桃なら大丈夫かな、明日から水分を口から取れないかな、と夜一口桃を食べてみたのですが全て嘔吐し、食べてはいけない事を認識しました。

 

腹痛で数時間ずつウトウトするのがやっとで、すく目が覚めてしまいます。

微妙に熱感があり、冷房も身体にきつくて、テレビを見る余裕もなく窓を開けて寝ていました。

お昼に様子を見に来た院長が、また点滴を1.2L入れてくれました。

 

院長の診断では、感染性胃腸炎か、抗生物質の長期内服による偽膜性腸炎疑い、ということでした。

ギマクセイチョウエン・・・

抗生物質を服用中ある種の菌が異常に増えて大腸に炎症が起きる病気です。

 

確かに、私は上顎洞炎で、7月にいつもはほとんど飲まない抗生物質を飲んでいました。

抜歯後も調子が悪かったので8月も真面目に毎日抗生物質を飲んでいたのですが、これが原因かも・・・

 

怖くてすぐに抗生物質は中止しましたが、仕事は毎日12時過ぎまであって、激務で身体は弱っていました。

 

こんなお盆の真っ最中に救急外来にご迷惑をかけることも出来ませんし、医者なので自分たちでできる治療は自分達でするしかありません。

後から聞いたら院長は院内にあるブドウ糖は全て使い果たし、補液などの在庫があるかをナースに聞いていたそうです。

 

その日ようやく点滴に色が付いていることに気付き、これは何かと尋ねたらビタミン剤だと言われました。

少し、変な匂いがして、巷でニンニク注射と言われるのはこの匂いのせいなんだ、とわかりました。

吐き気止めやビタミン剤入りの点滴で元気になった気がして、起き上がる気力は出ないものの、明日の点滴はもういいかも、と笑う余裕がありました。

 

でも、夜からはまた嫌な腹痛で眠れません。

 

ポカリスエットを飲むと外まで聞こえるようなお腹の音がしてくるので怖くて飲めなくなり、時々血の塊も出て不安になりました。

 

15日、またクリニックで点滴2.5L。

院長は夏のたった一つの楽しみ、甲子園中継をリアルタイムで見ることも私のせいで出来なくなり、クリニックにかかってくる電話に出たりしていました。

 

院長は私の治療に世話がかかるため、13日、14日に電話を出てもお盆休みです、と言うだけで無駄だよね、と言っていました。

15日にはあまりに電話が鳴り続けるので、16日からの予約を取り始めました。

 

夜にナースのMさんが在庫の確認と注文のため、クリニックに寄ってくれました。

私は食べていない、飲めていない寝たきりの状態で声も出なく歩けなくなっていて、Mさんと話しながら翌日の診察が出来るか本当に心配になりました。

16日。

診察開始。

お盆明けの皮膚科は少し忙しく、必死で外来に集中しました。

 

下痢をすると仕事ができないので、お腹を冷やさないように腹巻をして絶飲食と決めていましたが、脱水になり午前診察と午後の診察の間にナースMさんが点滴を1.5L入れてくれました。

発熱外来が混み合う中で、私の点滴は本当に余分な仕事であり、皆の足手まといで申し訳ない気持ちで一杯でした。

 

脱水で血管には当たるけど、逆血もないですよーと言いながら点滴を入れてくれる優しいMさん。

 

医療に携わる者の使命感で、皆一言も愚痴を言わずに動いてくれるのですが、点滴をしてもらっていなければ回復にとても時間がかかっていたと思います。

本当に本当に感謝しています。

 

翌日胃腸科に受診できないか、お知り合いの先生にお電話したのですが、そちらはコロナでスタッフが激減して予約を断っている状態だと言われました。

ただ、私が言うほど病気としては大したことはないと思うとコメントしていただき、そのお言葉でとても安心しました。

 

心が弱っている時の専門家の言葉はありがたいですね。

大腸カメラはまたの機会にして、とにかく胃腸の安静に努めました。

 

翌日は一日中ジュースを飲んで、点滴は中止して、夜は少量のお粥を数口食べてみました。

 

翌日、おにぎりを少し食べましたが、しみじみ美味しかったです。

 

仕事を始めて5日、まだお腹の膨満感や痛みがあるので、少しずつ普通のお食事に出来たら良いなあと思っています。

 

神様から、今年のお盆は大人しくしていなさい、と言われているのかと思うほど、寝てばかりいる生活でしたが、抜歯前後の無理なスケジュールが響き、私の身体は限界を迎えていたと思います。

 

今回自宅がたまたま病院で治療できたので良かったですが、コロナ流行期、病院は満床、医療従事者が不足している時に他の病気にかかってしまったら、人は簡単に死ぬことはありうるのだと実感しました。

 

お盆明けの発熱外来ですが、名古屋市が陽性者登録センターを開設して下さったこともあり、軽症の書類目的の受診は減りました。

発生届の簡略化により入力作業にかかる時間は半分に短縮され、当院の発熱外来の受け入れ状況は随分改善しました。

 

お盆の移動による感染者の増加は大体1週間でピークアウトしますし、発熱した方が平日の日中、どこの病院でも診てもらえないほどの混雑は解消されてくると思います。

ただ休み明けは病院のスタッフがコロナ感染や自宅待機で揃わず、人手不足で通常医療ができなくなっていると聞きます。

 

大病院は病棟がいくつも閉鎖していますので、病気を見つけたとしても発熱がある場合は紹介先に受け入れてはもらえません。

重症な場合や手術が必要な病気の場合は、なかなか厳しい状況が続くかと思います。

 

私もこんな忙しい時に倒れてしまい、皆にとても迷惑をかけました。

もう1回抜歯をしなければならず、そのタイミングがとても難しいのですが、今後体調管理に努め、スタッフのお荷物にならないようにしていきたいです。

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