帯状疱疹について

 

 

 

帯状疱疹とは

帯状疱疹は顔や体の片側に帯状に痛みを伴う発疹や水疱が現れる病気です。
水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症で、50歳以上で発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。

【 帯状疱疹の発症年齢 】帯状疱疹の発症は、50歳以上が全体の65.7%を占めます。

主なヘルペスウイルス
病気
水痘・帯状疱疹ウイルス 水ぼうそう、帯状疱疹
単純ヘルペスウイルス1型 口唇ヘルペス、カポジ水痘様発疹症など
単純ヘルペスウイルス2型 性器ヘルペスなど

 

 

帯状疱疹の原因

水ぼうそうも帯状疱疹も水痘・帯状疱疹ウイルスが原因ですが、水ぼうそうは初めてかかった方がなる病気で、帯状疱疹は過去に水ぼうそうにかかった方がなる病気です。

子供の時にかかった水ぼうそうのウイルスは、治った後も脊髄の左右にある神経節に生涯にわたり潜伏します。(日本人の90%以上)
普段は免疫力により抑えられていますが、加齢、ストレス、疲労などによって免疫力が低下するとウイルスが再び活性化して、神経に沿って皮膚に移動して帯状疱疹となるのです。

以下の方は特に注意が必要です。

 

・高齢の方
・疲労やストレスが重なっている方
・免疫力が低下している方(糖尿病、AIDS、白血病、免疫抑制剤、抗がん剤使用の方など)

 

また、幼少期に水ぼうそうにかかったりワクチンを接種した方は、水ぼうそうのウイルスに再接触することで、免疫の強化されることがわかっています。(ブースター効果)
しかし、2014年10月に小児の水ぼうそうワクチンの定期接種が始まり、子供の水ぼうそうが減少し、大人が水ぼうそうのワクチンに暴露される機会が減少しました。
その結果、近年はブースター効果が得られなかった子育て世代にも帯状疱疹が増えてきています。

 

 

帯状疱疹の症状

帯状疱疹は発症1週間から数日前に、違和感を感じる方が多いです。
チクチク、ピリピリとする痛みのこともありますが、かゆい場合や、鈍痛の場合もあります。

その後、身体の左右どちらか一方に、赤みのある水泡が帯状に出てきます。
身体のどこにでも出現する可能性はありますが、胸やお腹、背中、顔に現れる頻度が高いです。

発疹が出るまで腰痛や心筋梗塞などと間違えられ他科受診をされることもあり、最初は診断が難しい病気です。

 

 

帯状疱疹の治療


発疹が出現したらなるべく早期から、ウイルスの増殖を抑える[抗ウイルス薬]を服用する事が大切です。
当院では抗ウイルス薬の他、痛みに合わせて鎮痛剤、神経修復のためのビタミン剤などを処方しています。
外用薬は市販のステロイド剤などを塗らないようにしてください。
通常は1~2週間で治ります。

 

 

他者への感染について

帯状疱疹は体内に潜伏しているウイルスが原因で発症するため、周りの人にうつることはありません。ただし、まだ水ぼうそうになったことがない人は、感染すると水ぼうそうになる可能性があります。
(水ぼうそうの入院患者さんの約30%が帯状疱疹を感染源だったという報告があります。)

合併症

①帯状疱疹後神経痛(PHN)
神経が損傷されることで、皮膚の症状が治った後も痛みが残る事があります。
発症して3ヶ月以上痛みが続くものをPHNと呼びます。
痛みは高齢になるほど残りやすく、50歳以上では、3ヶ月後で20%、6ヶ月後で10%、1年以上は5%と言われています。
強い痛みには神経ブロックなどが有効です。

②その他の合併症
頭部から顔面に症状が出ることがあり、目や耳の神経が障害されると、めまいや耳鳴り、視力低下、難聴、顔面神経麻痺を引き起こすことがあります。
また脳に炎症が及ぶと脳卒中のリスクが高まると報告されています。

 

 

帯状疱疹の予防

帯状疱疹は、加齢や疲労などによる免疫力の低下に伴い、誰でも発症する可能性のある病気です。
帯状疱疹になりにくい体づくりのためには、食事のバランスに気をつける、睡眠をきちんととるなど、日頃から体調管理を心がけることが大切です。
50歳以上は帯状疱疹の発症リスクが高くなる傾向がありますので、ワクチンの接種は帯状疱疹を発症しないための選択肢の1つになります。
ワクチンは帯状疱疹を完全に予防できるものではありませんが、発症率を下げ、重症化を防ぐ効果は確認されています。

 

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹ワクチンには、2種類のワクチン(不活化ワクチンと生ワクチン)があります。
*不活化ワクチン・・・病原性をなくした細菌やウイルスの一部を成分としたワクチン
*生ワクチン・・・病原性を弱めた細菌やウイルスそのものを成分としたワクチン

現在、不活化ワクチンはシングリックス、生ワクチンはビケンで接種を行っていますが、それぞれ特徴があります。

 

ワクチン
接種回数 接種方法 接種の間隔 自己負担金
※50歳以上の方
シングリックス
不活化ワクチン
2回 筋肉内注射 2回目接種は、1回目接種の2か月後(2か月後の同日以降)から6か月後の同日の前日までに接種 名古屋市に住民票がある方で公費助成利用の場合
1回10,800円、2回で21,600円
(接種は2回)
自費の場合
1回21,600円、2回43,200円

ビケン
乾燥弱毒性水痘ワクチン
生ワクチン
1回 皮下注射 ——– 名古屋市に住民票がある方で公費助成利用の場合
4,200円(接種は1回のみ)
自費の場合
8,000円
☆先天性及び後天性免疫不全の方、ステロイド剤、免疫抑制剤などを服用している方は接種できません

※シングリックス、ビケン共に費用助成は生涯一度限りです。
※公費助成が利用できる名古屋市以外の市町村についてはお電話でお申し込み下さい。
 
名古屋市では、2020年3月より帯状疱疹ワクチンの費用助成を行っており、名古屋市に住民登録がある50歳以上の方は、通常の自己負担額よりも少なく接種することができます。
詳しくはこちら「帯状疱疹(たいじょうほうしん)予防接種の費用助成について」をご確認ください。
 
 
免疫持続期間は従来の生ワクチン(ビケン)で8年ほどになります。5年後にはかなり発症予防効果が落ちるのに対して、不活化ワクチン(シングリックス)は米国発売10年後の発症予防効果は89%です。
免疫抑制剤を服用されている方は生ワクチン(ビケン)接種はできないこともありますが、接種回数が2回にもかかわらず最近のワクチン接種希望者のほとんどが不活化ワクチン(シングリックス)を選択されます。
従来の生ワクチン(ビケン)には接種部位の持続する痛み、腕の腫れ、全身症状はほとんどありませんが、不活化ワクチン(シングリックス)にはコロナ接種後と同じような接種部位の痛み、腕の腫れ、全身症状が現れる事があります。
しかしながらコロナ接種で筋肉注射に慣れたことや、名古屋市では一生に1回しか公費が使えないため、発症予防効果の長い不活化ワクチン(シングリックス)希望者が増加していると考えられます。

 

帯状疱疹ワクチンのご予約について

ワクチン接種は予約制となります。
ご希望の方はお電話か受付にお申し出下さい。
4~7日程度で入荷致しますのでお急ぎの方はお早めにご連絡下さい。
名古屋市に住民登録がある50歳以上の方で、名古屋市の助成制度を利用して帯状疱疹予防接種を受ける場合
接種を受ける際には、名古屋市に住民登録があることがわかる書類(免許証やマイナンバーカード等)及び、健康保険証等の氏名、住所、生年月日を確認できるものをお持ちください。

☆注意点

1回目の不活化ワクチン(シングリックス)を接種後は2ヶ月後のワクチンが自動的に予約されます。
2回目の接種が2ヶ月以上6ヶ月未満で接種できない場合、市町村の助成の対象外(自費)になりますのでご注意下さい。
令和2年3月以降、公費でビケン、シングリックス(2回)を受けた方は公費の対象外となります。

また、自費でもシングリックスを2回×2クールの治験はまだないので、当院ではシングリックス3回目以上の接種を行いません。
発症予防効果(10年以上)については今後の研究結果をお待ち下さい。

単純ヘルペス(口唇ヘルペスや陰部ヘルペス)と水痘・帯状疱疹ワクチンは原因となるウイルスが違うため、帯状疱疹ワクチンで口唇ヘルペスや陰部ヘルペスを予防することはできません。

新型コロナワクチン、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン、他の生ワクチンとの接種間隔については、不活化ワクチン(シングリックス)、生ワクチン(ビケン)で異なります。

当院までお問い合わせ下さい。