子宮頸がんワクチンの公費接種終了について(追記あり)
こんにちは。
名古屋市中区の福澤内科・皮フ科クリニックの皮膚科医 福澤加奈子です。
帰宅をしたらこんなハガキが届いていました。

中はこんな感じです。

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、2024年9月末までに1回目の接種をしないと3回の接種を公費で完了できません、という注意喚起のお知らせです。
うちには娘がいるので名古屋市からお知らせが届くのですが、娘は小6~高校1年の頃に国が副反応により定期接種の積極的勧奨を差し控えたことにより接種機会を逃した年代に相当します。
国は従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を実施しようとしていますが(キャッチアップ接種)これには期限が決められていて、2025年の3月末をもって終了となります。
接種間隔を空けて3回接種するため、遅くとも9月末までに1回目をうち終わらないと3回を無料では接種できなくなります。
2024年度に高校1年生の女子についても、公費で接種できるのは2025年3月末までなので注意して下さい。
昔はサーバリックス(2価ワクチン)とガーダシル(4価ワクチン)しか公費対象になりませんでしたが、令和5年4月からはシルガード9(9価ワクチン)も公費の対象(無料)になりました。
娘はシルガード9が発売された後、まだ公費になる前に自費で3回の接種を受けました。
婦人科では1回約3万円だったので3回で約9万円となり、かなりの出費でした。
同級生達も高いよねと言いながら自費でシルガード9を接種する人もいましたし、公費のガーダシルを接種する人も副反応が怖いので接種をしない人もいました。
副反応ですが、娘は3回目の接種をした注射時に腕にとても痛みを感じたそうで、3週間ほど腕が重いと言っていました。
ガーダシルは6型、11型、16型、18型の4種類
シルガード9は6型、11型、16型、18型、31型
33型、45型、52型、58型の9種類のHPVの感染を防ぎます。
ガーダシルは4価で子宮頸がんの原因となるHPV型の65.4%をカバーします。
シルガード9は9価でHPV型の88.2%をカバーします。
子宮頸がんの原因の80~90%を占めるのは7種類(16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型)です。
世界では多くの型の感染を防ぐ9価ワクチンのシルガード9が主流となっています。
私は身体がだるくて学校に通えないなどの副反応が騒がれた時に、こんな怖いワクチンを娘に打つ必要があるのか、と思ったのですが、考えが変わったのはコロナワクチンの講演会を聞いた時です。
その時にワクチンで有名な先生が言われたことによると、
日本はコロナワクチンよりも本当はもっと接種率を気にしないといけないワクチンがある、それは子宮頸がんワクチンである、接種率は北朝鮮と同じぐらいである、このままだと先進国の中では子宮頸がんで亡くなる人が非常に多くなるであろう、といった内容でした。
毎年約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、2900人の女性が子宮頸がんで亡くなるそうです。
患者は20代から増え始めて30代までにはがんの治療で子宮を失う人が年間約1000人いるそうです。
当院で接種をしている女性や娘を見ている限り、子宮頸がんワクチンは接種時やその後に腕が痛い人が多い注射です。
疲労、四肢痛などの副反応も以前の報告数程ではないですが、全く無いわけではありません。
しかしヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がんの他に尖圭コンジローマ、肛門がん、外陰がん、膣がん、喉頭がん、中咽頭がん、口腔がんの原因にもなります。
あくまで接種するかどうかは自由なのですが、利益と不利益を考慮しながら接種するかどうか決めること自体が重い選択のうえ、無料期間も接種年齢も期限付きなので本当に悩ましい話です。
家に届くお知らせを見ながら接種を迷われている親御さんや娘さんは沢山みえるのではないでしょうか。
ただ、接種を決めた場合はスケジュール上あまりギリギリにならないよう9月に1回目を接種して下さい。
大体の病院は予約制であり、ご本人の体調も考慮しなくてはいけないので、もうあまり時間はありません。
接種年齢については、お付き合いする人ができる前の12歳~16歳が予防効果が高く最も推奨されますが、お付き合いする人がいたとしても26歳までの女性も接種は推奨されています。
ワクチンだけでは子宮頸がんは100%予防できません。
20歳以上は子宮頸がん検診との組み合わせが必須であることも忘れないで下さい。
最寄りの内科や婦人科など、現在公費で接種可能な病院は多いので、接種を考えられている方は通院しやすい病院でお早めに接種して下さい。
当院での接種(シルガード9かガーダシル)を希望される方はお電話で予約を承ります。
初回か、これまでにサーバリックスかガーダシルの接種歴があるかをお電話でお伝え下さい。
【追記】
当院ではサーバリックス接種は終了いたしました。
ギャッチアップ接種は令和7年3月31日まで延長されました。名古屋市のホームページをよく読んでご予約ください。
<令和7年1月10日>

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